これは二人の暮らす築500年の家から池に張り出して作られたデッキです。
大きな木々に囲まれ、静寂の中に水の音と鳥のさえずりしか聞こえない、
心が満たされる空間です。
池に張り出したデッキの奥に置かれた3個のロングポット。植えられているのは日本のトクサです。バックに見えるのは水を好む多年草のガネラマニカータ。世界で一番大きな葉を持つ多年草です。ラウンド型に大きく切れ込みのある葉を広げたガネラマニカータの前に、縦の線のロングポットと真っ直ぐなフォルムのトクサ、これこそAnthony Paul の世界です。
芝生の中に塊で植えられたガネラマニカータ。
他の物を排除し、一種類の植物のみが生み出す圧倒的な存在感。
ひとつの種類の植物だけを植えてある事で、その植物の造形美と質感が浮かび上がります。
イギリスの庭と言うと、前に背の低い草花、後ろに背の高い草花、それが正解と伝えられています。Anthony Paul は芝生の平面に対し垂直に立ち上がる草花をデザインしています。
平面に対し草花を垂直にデザインし、ダイナミックな空間を生み出すのもAnthony Paul の特徴です。
Hanna Peschar のオフィス前の小さなスペース。
頭上の緑を通して降り注ぐ光、置かれたロングポット、小さなスペースでも緑に囲まれる心地よさが伝わります。
ガーデンデザイナー 麻生 恵