麻生恵 ガーデンデザイナー

イギリスはツゲが好き

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私はよくツゲを使います。私がツゲが好きだと言うと怪訝な顔をされます。イギリスに暮らし、イギリスで勉強してきたのにツゲですか? と聞かれます。
ほとんどと言っていいくらいイギリスの庭ではツゲを使うのに、皆さん気づかないようなのです。美しい季節に旅をして花いっぱいの庭を見ると、その背景に冬の構造体として緑のツゲが主要な役目をはたしている事に、なかなか目がいかないのでしょう。そうです、イギリスはツゲを多用します。上の画像、背景としての常緑の壁はイチイ、手前の丸いボールのような緑はツゲ。イギリスの庭では骨格となる大事な冬の構造体としてイチイとツゲを多用しているのです。イギリスで使うツゲはボックスウッドと呼ばれる洋ツゲです。日本のツゲとは違いますが、イギリスのツゲの使い方は私達に新しい道を開いてくれます。

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このように広い庭を区切って多年草を分けたり、キッチンガーデンにしたり、その堺や壁としてツゲを使います。花壇を区切っている斜めの大きい壁もツゲ、通路の両脇にある低く続く緑もツゲ、左側に見える四角錐の柱もツゲ、向こうに見える丸いロリポップのトピアリーもツゲです。そしてこの常緑のツゲこそがこの庭の重要な骨格としてデザインされているのです。

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この庭は手をかけずに1年中デザイン性の高い庭を保つ為に、三角形のツゲの緑と球形のツゲを並べています。三角形のツゲの周囲はアイビーです。このような三角形の常緑の木を見ると日本の方はコニファーだと思うようですが、実はツゲなのです。きちんとした形を1年中保つ為にはツゲはとても役に立つ植物です。

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石のベンチの周囲をツゲで囲むと何だか緑のソファーのようです。ガードナーの女性がハサミでシャープに刈り込んでいました。

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こんなツゲの鉢はカントリーの風景。ドアの高さと比べてみて下さい。とても大きな丸いツゲですが、何だかほっこりと温かく、つい微笑んでしまいます。

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これはロンドンのおしゃれな地域にあるレストランのツゲの鉢。いかにもポッシュで洗練された雰囲気です。同じツゲでもデザイン次第、世界は無限に広がります。

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後ろに低いツゲの壁、左右を大きなツゲの球体に囲まれ、イギリスの庭ではツゲはいつも私にとって身近です。

ガーデンデザイナー 麻生 恵